紛争に発展してしまったら?

多重債務問題や返済困難などの悩みが生じたら、まずは公的機関に相談してみよう、ということをお話しましたが、消費者金融との間で紛争に発展してしまった場合はどうしたらいいでしょうか。
この場合も、先に登場した日本貸金業協会が紛争解決の力になってくれます。
貸金業者との紛争が生じ、当事者間で解決が困難な場合には、日本貸金業協会の紛争解決委員が間に入り和解による解決を図るADR制度を利用することが可能なのです。
紛争解決委員に選任されるのは職務経験5年以上の弁護士か、認定司法書士等の専門家で、公正な紛争解決が望めます。
たとえば、どのようなことが解決できるかといういと、先に登場した過払い金返還請求も事例の1つです。
紛争解決にあたっては、紛争解決委員主導のもと、両当事者が出席の上で聴聞が行われますが、過払い金請求の事例では3回程度の聴聞で和解案が提案され解決に導かれることが多いようです。
そのほかの事例としては、業者の不正行為等による債務不存在確認請求や損害賠償請求があり、いずれも聴聞回数は2回程度で和解解決が図られています。
公平中立な専門家のもとでスピーディーに解決できることは、時間や手間の面でも、精神的な面でも負担が少なく、非常に有効な方法だといえます。
手数料も極めて低く、紛争解決に伴う手数料は両当事者の折半となり、申し立てをした契約者だけでなく、消費者金融業者にも支払い義務があります。
たとえば請求額が100万円以下であれば2000円ずつ、100万円超300万円以下であれば6000円ずつと負担の少ない手数料で紛争解決ができるのが魅力です。
この制度の課題は、認知度が非常に低いということです。
ADR制度は貸金業に限らず、銀行や保険会社などの金融機関においても、各業界団体において設けられていますが、認知度が低いため利用する人はまだ限られているのが現状です。
なお、この紛争解決制度によっても和解ができず、解決しなかった場合は、当事者の意向により裁判に持ち込んで、判決によって解決せざるを得なくなります。
業者との間には専門知識に差がありますから、素人では太刀打ちできないため、弁護士を自費で雇い、裁判を起こすことになるでしょう。